[ 参考資料 ] 2015/07/20
室内を掃くのに使われているほうきです。板敷の家が多かった昔(戦前)は日本各地で使われていました。最近はフローリングを掃くのに便利であると見直されています。棕櫚(しゅろ)の葉柄部分を切り落とし、そこから繊維を取り出してほうきを作ります。
棕櫚の主な産地は中国で、自生しています。但し、戦前は日本での栽培がさかんで、紀伊半島及びその以西において特に栽培されていました。
棕櫚の歴史は相当古く、弘法大師が唐から持ち帰ったとも言われています。棕櫚ほうきの歴史も古く、江戸時代の早い時期から棕櫚ほうきが使われていたことは分かっています。
棕櫚の繊維は非常に細かく、しなやかなのが最大の特長。繊維に油分が含まれているため、掃けば掃くほど床にツヤがでるとも言われています。また棕櫚ほうきには、繊維を精製する前に箒にした「皮」と呼ばれる箒と、精製した後にほうきにした「鬼毛」と呼ばれる箒があります。
繊維を精製する前にほうきにした「皮」
精製した後にほうきにした「鬼毛」
座敷ほうきが登場する(江戸時代後半)前の室内ほうきはそのほとんどが棕櫚ほうきであったと思われます。
戦後、市場の変化で一気に衰退しましたが、今なお、一部の方にはその掃き心地に根強い人気があります。