[ ブログ ] 2015/07/31
歌川広重が東海道五十三次を描いたのは1833年、江戸時代の天保4年と言われています。わずか30数年後には明治維新を迎えることになるわけですが、江戸時代の、しかもここ浜松のほうきを再現する・・聞いただけでもなかなか面白そうです。
前回、JA青年部の皆様と種蒔きを行い、それぞれの種から無事に芽が出てきて一安心・・と思ったのもつかの間。次から次へと問題が発生します。やはり自然が相手ではなかなかうまく事が運びません。
Y | 「どうしたの?」 |
K | 「はい。先ほどJA様から電話があって、ホウキモロコシと都賀の畑は順調だということですが、タカキビの畑に問題が発生したそうです」 |
Y | 「もんだい・・?」 |
K | 「タカキビの生育が思ったよりも遅くて、このまま放置してしまうと、雑草に負けてしまいそうだということらしいんです」 |
K | 「解決策としては雑草を抜くしかないそうです。そこで、雑草を抜くために協力してほしいということなんですが・・」 |
雑草に必要な栄養分を取られ、タカキビの成長が著しく低下しているようです。6月11日、雑草を取るために現地に向かいました。
ア | 「確かにこれはひどいね。雑草にほうき草が埋もれている」 |
ア | 「ほうき草は日光に当てることが大切だと聞いていますが、これだと・・」 |
JA | 「早め早めに対応しないと、その時期に合った生長が見込めません」 |
早速、雑草の除去・・の前に、恒例ですがいつもの集合写真。
後は地道に雑草取り・・
ア | 「・・・・・・・・・・・」 |
JA | 「・・・・・・・・・・・」 |
だんだん口数が減ってきます。
地味な作業ですが、これが意外に大変です。まだまだ先が見えません。
丸々1日かけてやっとこの状態になりました。
JA | 「この状態であれば、ほうき草の成長が見込めると思いますので、大丈夫だと思います」 |
ア | 「ホッ・・・・」 |
Y | 「相当大変だったらしいね」 |
K | 「そうなんです。みんな腰が痛いって言っていました」 |
Y | 「除草剤を撒ければいいんだろうけど、ほうき草にも影響が生じる可能性が高いから・・」 |
K | 「昔の人はこれと同じ作業をずっとやっていたんですよね。こんなに大変な作業・・・よくやれますね」 |
Y | 「うん。ただこれでなんとか切り抜けることができたし、何より何より」 |
・・・・・・・・・・・ところが。
6月19日、今度はホウキモロコシと都賀の畑にも異変が・・・
Y | 「どうしたの? 血相変えて」 |
K | 「ホウキモロコシと都賀の畑にも問題が生じたそうです」 |
Y | 「え?・・・・・・だって順調に育っていたって・・」 |
K | 「そうなんです。でもそれがアダとなったみたいなんです」 |
K | 「高くなったほうき草が今回の強風で倒れてしまったみたいです」 |
台風ではありませんが、この時期では珍しい強風と雨が続き、ほうき草が倒れてしまったようです。
早速現地に行ってみることに。
ア | 「これはひどい」 | |
JA | 「正直、こんなに風に弱いとは思っていませんでした。背丈が高くなった分、モロに食らった感じです」 | |
ア | 「これらはどうなるのでしょうか?」 | |
JA | 「倒れたところから腐ってきて病気になる可能性があります。そのまま放置してしまうと、最悪の場合、全滅する可能性があります」 | |
ア | 「ぜ、全滅ですか?」 | |
JA | 「はい。ただこれは放置した場合です。なので、倒れたほうき草を残念ながら引っこ抜く必要があります」 | |
ア | 「でもそれだと収穫量ががくんと落ちますね」 | |
JA | 「多分、半減します。でも全滅よりはましかと・・」 | |
ア | 「半減ですか」 | |
JA | 「とりあえず、今日(金曜日)は様子見として、週明けには引っこ抜く作業に取り掛かりますが、宜しいですか?」 | |
ア | 「・・・仕方ありません」 | |
JA | 「だた、それにしても風に弱いですね・・。今回の強風を超える、例えば台風などが直撃したことを想定しておかないと、今後は厳しいかもしれません。よその地域では風対策など、どうしているのでしょうか?」 | |
ア | 「2本の竹でほうき草の両側を押さえる、ということは聞いたことがありますが・・」 | |
JA | 「なかなかの重労働ですね。今からそれをやるとなると・・・」 |
その3日後、倒れたほうき草が無事に元に戻ったという連絡が入り、これまた一安心。横に倒れはしましたが、幸いなことに茎が折れていなかったので元に戻ったようです。ほうき草の場合、茎が一旦折れてしまうと回復はしません。まさに九死に一生を得た感じです。
その後は順調に生長を遂げ、6月29日にはこんな感じになりました。
7月10日。ついに穂が出ました。
穂が開き切り、色が鮮やかになった頃が収穫時期です。穂もまだまだ伸びると思われます。
そして、7月21日、収穫の時期を見極めるべく、再度畑に。
ア | 「だいぶ穂が開いていますね」 |
JA | 「収穫の時期はそろそろかと思われます」 |
JA | 「ただ、穂が開いているものと開いていないものがありますので、もう1週間後くらいが適正かもしれません」 |
ア | 「というと?」 |
JA | 「7月28日を収穫日としたいと思います」 |
ア | 「・・・・・・・・おし!」 |
5月14日に種を蒔き、様々な困難を乗り越え、遂にほうき草の収穫の時を迎えます。東海道五十三次、中間地点の浜松が目前というところでしょうか? 少しずつ先が見えてきたようです。